「謙虚ですね」は、一般的には褒め言葉として使われます。謙虚である方が、人間関係がうまくいくイメージを持っている人も多いでしょう。
とはいえ、謙虚とは、具体的にはどんな特徴を指すのでしょうか?
今回は、謙虚な姿勢がもたらすさまざまなメリットを解説します。また、謙虚な性格になるために今すぐできる行動も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
■謙虚さとは?
そもそも謙虚とは、「控え目で、慎ましいこと。素直に相手の意見などを受け入れること。また、そのさま」をいいます(小学館『デジタル大辞泉』)。
対義語としては「傲慢」や「横柄」などがあり、一般的には、出しゃばったり自慢したりするようなことがなく、他人の話をよく聞き、学ぶ姿勢のある人というイメージがあるのではないでしょうか。
謙虚な人は、自分を過信せず、かといって、卑屈になり過ぎることもない、ちょうどいいバランスを持っているタイプ。自分と向き合い、悪い点は変えていける心の強さや余裕があるのも特徴です。
謙虚であることのメリットとは?
では、謙虚な姿勢でいることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
◇(1)“自分自身との関係”がうまくいく
謙虚な姿勢があると、まず、“自分自身との関係”がうまくいくようになります。
謙虚さがないと、プライドが邪魔をして自分の非を認められなかったり、他人に認めてもらいたくて自分を過剰に大きく見せてしまったりすることがあもの。
しかし、謙虚でいられれば、自分の良くない部分は素直に認めて改善していけますし、人間関係において合わない人がいても折り合いがつけやすくなるので、イライラすることも減るでしょう。
◇(2)他人の良い部分を吸収できる
さらに、他人と自分を比べて卑屈になるようなこともないので、心穏やかに過ごせるもの。仕事などにおいても、周囲の人の良い部分を吸収しながら、より良い自分であろうと努力できるので、成果も出やすくなります。
◇(3)周りからの評価がUP
また謙虚な人は、控えめな人でもありますが、努力家で自分の才能や得意なことを熟知しています。
そして、それは「自分がすごいから」はなく、「周りのサポートで成り立っているもの」であると理解しています。
そのため、たとえ自分の能力や地位が高くとも、おごることも威張るようなこともしませんし、むしろ感謝の気持ちを頻繁に表現します。そういった様子は、周りの人からすると、「仕事ができるのに(地位が高いのに)全然偉ぶらないで素敵だなぁ」「気持ちのいい人だな」という好印象を受けるのです。
加えて、向上心があり、学ぼうとする意欲も高いので、後輩であれば先輩や上司からかわいがられるタイプ。より上のポジションへ引き上げてもらいやすくなるでしょう。
◇(4)良好な人間関係を築ける
謙虚な人は人間関係がうまくいく点も大きなメリットです。
自分と意見が違う人がいても、いきなり否定したり非難したりするようなことはありません。自身の価値観が絶対的に正しいわけではないということを知っており、相手に「こうすべきだ」と意見を押し付けるようなこともないでしょう。したがって、周囲とトラブルになりにくいです。
他人の良いところを見つけては褒めるようなタイプ。周りの人は「自分のことを見てくれた」「認めてくれた」「受け入れてもらえた」と感じてうれしくなります。過度な期待をしたり、見返りを求めたりせず、自分のできることをやろうとするため、そういった誠実な姿勢は人間的な魅力を感じさせ、周りの人から信頼されます。
■謙虚になるための7つの行動
自分自身の感情をうまくコントロールでき、周囲とも良好な関係を築けるのが謙虚な姿勢のメリット。できることならこうありたいものですが、自分の傲慢さや欲を上手に扱えないと悩む人もいるはずです。
では、謙虚な性格に近付くためには、日ごろからどんなことを意識すればいいのでしょうか。
◇(1)自分を認めて心の余裕を作る
謙虚になるためには、まずは心の余裕が必要です。
ネガティブな気持ちでいっぱいいっぱいになっている時は、卑屈になってしまうこともありますし、自分を隠して虚勢を張ってしまうこともあるものです。
そんな時には「私って不安だったんだな」「そりゃ落ち込むよね」と自分の気持ちを受け止めてあげたいもの。また、自分に自信がない人は、日ごろの頑張りを承認するなどして、自分を褒めることを積極的に行っていきましょう。
そうすることで心に安心感や余裕が生まれやすくなります。
◇(2)相手の話はいったん肯定する
自分と違う意見の人がいた時に、「それは違う!」とすぐに反発してしまうと、トラブルになりやすいもの。
「なるほど、○○さんはそう思うんですね」というクッション言葉を入れるだけで印象が随分と変わります。そういった対応をすると、相手は自分の話を聞いてくれた、受け止めてくれたと感じ、話し合いがスムーズに進むことでしょう。
◇(3)うまくいかない時は「自分」を変える
自分が正しいと思っていると、思い通りにならない時に他人を変えようとしたり、自分の望む方向に誘導しようとしたりしてしまいます。おせっかいになって踏み込み過ぎてしまうこともあるでしょう。
しかし、それでは「自分を否定された」「自分の気持ちを尊重してもらえない」と相手が感じ、傲慢な人だという評価を受けてしまうもの。
他人を変えようとするのではなく、自分が変わることで状況を変化させましょう。
◇(4)他人の言動から学ぶ
すてきだなと思った人がいれば、年上年下関係なく、その人の言動や振る舞い方、考え方などを真似してみましょう。
人の良い部分を自分にも取り入れていく姿勢を持つことで、成熟した人格へと成長できます。
また、嫌だなと思う人がいた場合も、むやみに批判するのではなく、自分もその人と同じような振る舞いをしていることがないか、自身を振り返る機会として利用したいものです。
◇(5)他人の良い点は積極的に伝える
謙虚な人は、相手に対して敬意を持って接しています。
そういった内面の姿勢は、振る舞い方や言動に現れるので相手にも伝わるもの。
敬意を持つためには、相手の良いところを積極的に探すことです。
どの人にも、良いところが必ずあります。そして、人は「自分のことを認めてほしい」「受け入れてほしい」と思っています。相手の良いところを積極的に伝えてあげると、自分も気分がいいですし、相手との関係も良くなります。
◇(6)調子のいい時こそ周りに感謝する
自分の調子がいい時、または成果が出た時は、「私ってすごい! だって頑張ったもんね」「うれしい~!」と思いっきり喜びをかみしめて周囲の人と分かち合ったり、自分を褒めたりするといいのですが、1つだけ注意点があります。
それは、調子のいい時こそ周りにたくさん感謝するのを忘れないこと。感謝を忘れてしまうと、「自分がすごいんだ」という、うぬぼれや優越感が芽生えてしまいます。
◇(7)周囲の人を応援する
謙虚な人は、自分の利益だけではなく、全体の利益を考えて行動することができます。したがって、自分だけが良ければいい、という発想ではなく、みんなで一緒に幸せになる道を考えましょう。
そのためには周囲の人を応援したり、成功や幸せを祈ったりするといいかもしれません。
もし喜ばしいことがあれば、一緒に喜びを分かち合いましょう。「大切な人のため、自分にできることは何があるだろう?」と考えて、見返りを求めずに貢献していく姿勢を持つのもいいですね。
謙虚になると、自分との関係も他人との関係も良くなる
謙虚さとは、卑屈でも傲慢でもなく素直な状態をいいます。
自分の至らないところがあれば改善して成熟することができますし、自分も他人も同じように尊重することができます。
そういった姿勢は、周りの人から信頼される良好な人間関係につながります。
また、内面の葛藤が減りますので、心が穏やかになり、格段に生きやすくなる点も大きなメリットです。できることから始めて、謙虚な姿勢を身に付けていきたいですね。
(高見綾)
※画像はイメージです
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June 16, 2020 at 05:10PM
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