ユートピアアグリカルチャーは、北海道札幌市中央区盤渓にて森林を再生させながら放牧酪農や養鶏を行う施設の設置と実験を行うプロジェクト「FOREST REGENERATIVE PROJECT」を開始する。北海道大学農学部内田研究室とともにこれまで行ってきた研究をさらに推進する場になるという。
同プロジェクトは、「都市近接型で行う、多様な動物と植物による森の活性化実験のモデルファーム」。牛は森林地帯でも育成可能であることから、札幌市内にある盤渓という森林地帯で放牧酪農の一種である山地酪農を行い、死んだ森に動物が入ることで生き返るかどうかの実験を試みるそうだ。
多様な動物が森に入り込むことで炭素循環が進み、土壌の微生量が増え、さらには植物の多様性が上がり、土壌が活性化するという先行研究をベースに、数年かけて森林の成長や土壌の炭素循環、微生物の数値を記録・分析し、森林の活性度を図る。
さらに、今回の実験では自然をそのままに牛の力を活用するのではなく、人と動物と自然の関わりを模索するために、「拡張性体系」という考え方を採用。土壌の栄養素の循環にも関わりながら動物の餌にもなる、これまでの盤渓にはなかった新たな植物を植えることで、自然の力を引き出す新たな森林の生態系作りも試すとしている。
実験開始当初では、鶏舎2棟、牛や馬10頭程度が休める場所と卵の出荷施設を作り、鶏の体に負担をかけない鶏卵を育てて販売しながら、山地で酪農するためのノウハウを蓄積することを目指している。
なお、同プロジェクトには内田研究室をはじめ、施設の全体計画や設計は設計事務所DOMINO ARCHITECTS、ランドスケープの設計には片野晃輔、施設で採れた卵を販売する自動販売機の企画設計にはクリエイティブスタジオnomenaの武井祥平が参加。施設は2022年8月竣工を目標にしている。
地球と動物と人間の「おいしい関係」を作る 「FOREST REGENERATIVE PROJECT」が開始 | Webマガジン「AXIS」 | デザインのWebメディア - AXIS
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