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「自立」と「挑戦」ができる環境を作る。サイボウズ大槻氏に聞く、チームビルディング - MarkeZine

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※本記事は、2021年12月25日刊行の定期誌『MarkeZine』72号に掲載したものです。

注力しているのは、チャレンジを歓迎する環境づくり

サイボウズ株式会社 コーポレートブランディング部 部長 大槻幸夫氏

 2000年に大学卒業後、知人とレスキューナウを創業。05年サイボウズへ転職。12年にオウンドメディア「サイボウズ式」を立ち上げ、初代編集長を務める。ムービー「大丈夫」、「がんばるな、ニッポン。」などのブランディング施策を担当。

――はじめに大槻さんが部長として率いるコーポレートブランディング部について教えて下さい。

 コーポレートブランディング部には、現在約25名のメンバーがいます。ミッションは、サイボウズの認知度を高めること。とはいえ、ただ知っていただくのではなく、日本企業の働き方改革に挑んでいる会社である、という文脈をともなった認知を大事にしています。

 部の中には、広報を担っているチームの他に、弊社のオウンドメディア『サイボウズ式』の編集に携わっているチーム、コーポレートとプロダクトの認知をつなげる役割を担っているチーム、2019年に開始した出版事業に従事しているチーム、英語でサイボウズのプレゼンスを高めるためのチーム、株主とのコミュニケーションを行うチームがあります。企業の売り上げ規模から考えると、いわゆる広報部としてはかなり大所帯だと思います。長期的な売り上げを作る、事業を推進するという役割はビジネスマーケティング本部が担っており、コーポレートブランディング部は少し特殊な立ち位置にいます。

――マーケター育成のための研修制度などはありますか? 

 実は、そこが今サイボウズの弱いところで、特に育成のプログラムなどはありません。組織の拡大に合わせて育成の制度を整えていこうという話はありますが、現時点ではOJT方式で、先輩や上司からフィードバックを受けながら学んでいくスタイルになっています。

 一方で、サイボウズの理想の働き方として、「自立」があります。研修プログラムなどは、ともすれば、やらされている感が出てきてしまいますが、そうではなく自分がやりたいことドリブンで成長していってほしいのです。100人100通りの働き方があり、それぞれ興味の範囲も違うので、それを見つけて伸ばしていくことのほうが重要であると考えています。そのためにも、週に1回「ザツダン」という名の1on1を設けて、上司と部下でどういうふうに成長していきたいか、どんなことに挑戦してみたいかなど、話す時間を大切にしています。

――新しいことにトライする雰囲気を組織内で醸成するのは、理想として掲げてはいても、実現するのが難しい印象があります。

 そうですね。チャレンジを歓迎する文化は、すごく気を遣って作っています。ティール組織(※)にできるだけ近い形を目指していて、何か新しいことに挑戦したいという起案者がいたら、「その人がやりたいことをやったらいいじゃない」と。

 ただし、ひとつルールがあって、「必ず誰かに助言をもらってください」と言っています。その分野に詳しい社内の同僚や上司の意見を聞いて、それを取り入れて改善をするというプロセスを踏んでもらう。もちろん、出てきた提案に対してロジカルなつっこみが入ることはありますが、「どのターゲットに、どんなバリューを訴求したいか」という骨子があれば、「やってみたら」と言える土壌がありますね。心理的安全性の観点でも、意思決定のプロセスの観点でも、チャレンジしやすい環境づくりはできていると思います。

――自らチャレンジするところまで「自立」するまでに、どのようなサポートを意識されていますか?

 月並みな答えではありますが、マーケターの成長には、やはり好奇心が必要だと思っています。「なんだろう?」と好奇心を持って調べてみたり、検証してみたり、自分で体験してみたり。そういったことが得意な方は伸びますし、あまり興味を持てない方はそんなに伸びない、というのはこれまでの経験から感じていることです。つまり、マーケターというのは、ある程度「向き不向き」がある仕事だと思うんですね。

 ですので、その向き不向きを早めに見極めて、できるだけその方の興味のある方向へ導くサポートをしています。マーケターの中にもいろいろな種類があるので、その方が興味を持てるところを一緒に考えるのが大切だと思います。

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