
新型コロナウイルスの感染防止もあり、ネット通販やネットスーパーの利用が急増している。一般のネット通販では、最終的なサービス提供者は宅配業者だ。営業所で感染者が出て宅配サービスが滞るなどの支障が出ると、通販業界は彼らのおかげで成り立っていることを思い知る。コロナ禍により、宅配サービスが3つの意味で転機を迎えたと感じている。
まず「受領時の接触を最小限に」ということだ。配達してくれる人がウイルスを持ち込むかもしれないという恐れから、配達員の方にアルコールスプレーを吹きかけたというニュースをみた。非常に悲しい出来事だ。受け取る方が配達する人にうつす可能性だってある。危険を冒して配達してくれている方々を守り、双方のリスクを減らすために置き配や宅配ロッカーが一気に普及するだろう。
すでにアマゾン・ドット・コムでは2019年10月から、受取時のサイン・印鑑が不要となっていた。ハンコ文化については、自治体や企業も廃止の方向に進んでいる。宅配の場面でも早く広まるといいと思う。
2番目に「早く届くことよりも、家まで届くことを重視せよ」ということだ。新型コロナに関する専門家会議は「人との接触を8割減らす、10のポイント」を公表した。その一つに「待てる買い物は通販で」という言葉がありハッとした。
今まで翌日配送や即日配送など早く手元に届くのが当たり前で、急ぐ買い物ほど通販を利用していた。待てる買い物は通販でということは「感染のリスクを下げ確実に届くけれど、すぐに届くという期待は今はしないように」と、えん曲的な言い方での価値の転換だ。それでいいと思う。「通販で買う=すぐに届く」という常識をいったん見直すきっかけになった。
最後に「送料無料で本当にいいのか」ということだ。送料の背景には非常に多くの人の努力があり、当然コストがかかっている。

むらやま・らむね 慶大法卒。東芝、ネットマーケティングベンチャーを経てマーケティング支援のスタイルビズ(さいたま市)を設立、代表に。
アマゾンが打ち立てた「プライム会員は配送料無料」というサービスにより「送料無料」をよいサービスとして消費者は受け入れ、支持してきた。私もその一人だが、改める良い機会だろう。届けてくれるというサービスに敬意を表すためにも送料の有料化、正確に言えば「送料の見える化」を推し進めるべきだ。まとめ買いが進み、配送負荷の適正化にも寄与する。
楽天は3月18日から、ネットショッピングモール「楽天市場」で3980円以上の買い物をした場合、一部店舗で送料無料をうたう「送料無料ライン」を導入したばかりだ。実施前から毀誉褒貶(ほうへん)のあったこの政策だが、撤回するなら非常時である今だ。楽天もさまざまなコロナ対策を発信しているが、本業での貢献こそ優先されるべきだろう。
不要不急なものでも送料無料で即日配送。このようなサービスに慣れ、私たち消費者は甘えてしまっている。通販や宅配がライフラインだからこそ、それらが持続可能な事業であるように。そのために努力しなければいけないのは我々消費者の方だ。まずは、玄関まで届けてくれる人たちに最大限の敬意を。
[日経MJ2020年5月1日付]
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May 03, 2020 at 02:30AM
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コロナ禍は宅配サービスの転機 即日配送・送料無料、見直す時 - 日本経済新聞
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