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再エネ電気を鯨飲するGAFAは自分で作る、キーワードは「PPA」 - ITpro

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 GAFAによる再生可能エネルギーの調達が勢いを増している。2021年12月には米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)が米国と欧州で18件、合計容量5.6ギガワット(GW)の再エネ電源を調達したと発表した。2030年までの達成を目指していた「100%再エネ」の目標を、5年前倒しする勢いだ。

 アマゾンが2021年12月1日に発表したプレスリリースによれば、これは同社にとって過去最大規模の再エネ電源調達であり、合計5.6GWという電源容量は米国の300万世帯の電力使用をまかなえる規模だという。これによってアマゾンが確保済みの再エネ電源は12GWにまで拡大した。アマゾンの表現を借りれば600万世帯の電力使用をまかなえる規模だ。

データセンター近くの電源から直接調達

 アマゾンなどGAFAは現在、発電事業者と長期契約を結んで再エネを直接調達する「コーポレートPPA(パワー・パーチェス・アグリーメント=電力購入契約)」を進めている。アマゾンが12月に発表した調達も、コーポレートPPAによるものだ。データセンターなど電力を消費する施設の近くにある再エネ発電設備を確保して、「地産地消」のかたちで再エネを使用する。

 調達というと既存の再エネ電源を囲い込んでいるように聞こえるが、実際にはアマゾンが再エネ電源の建設に資金を投じて新設し、そこで生み出された電力を調達している。今回のプレスリリースでアマゾンは、全世界で274件の再エネ電源に投資していると表現している。

 日本でも三菱商事が2021年9月8日に、アマゾンとコーポレートPPAを締結したと発表した。アマゾンは三菱商事のグループ会社が日本で建設する約450カ所、合計容量22メガワット(MW)の太陽光発電所から再エネ電力を調達する。太陽光発電所は首都圏と東北地方にあり、2022年から2023年にかけて順次稼働する予定だ。

グーグル、マイクロソフト、メタもGW調達

 米Google(グーグル)は2021年4月に、再エネ電源を50カ所以上、合計容量は5.5GWを調達していると明らかにしている。米Microsoft(マイクロソフト)は2021年7月に世界10カ国で5.8GWの再エネ電源の調達契約を新たに交わしたと発表した。マイクロソフトが確保した再エネ電源は、稼働中のものと契約済みで未稼働のものを合わせると合計7.8GWに達するという。

 Facebookを運営する米Meta(メタ)は再エネ電源の合計容量をプレスリリースなどで発表していないが、2021年9月から同社が契約する再エネ電源の個別の詳細をWebサイトで明らかにしている。それを集計すると、他社の発表よりも詳しい状況が分かった。

メタがデータセンターや再生可能エネルギー電源を公表するWebサイト

メタがデータセンターや再生可能エネルギー電源を公表するWebサイト

(出所:米メタ)

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 これによればメタは2021年12月23日時点で、全世界に太陽光発電所を53カ所、風力発電所を15カ所確保している。これらの中には稼働中のものと契約だけ済ませているものがある。既に稼働中の再エネ電源の合計容量は3979MW、契約済みで未稼働の電源の合計容量は2577MWだった。稼働中・未稼働を合わせると6556MW、他社のようにGWで表現すると6.6GWとなる。そのうち太陽光発電所が全体の67%の4383MWを、風力発電が33%の2173MWを占める。

 メタは各再エネ電源について、稼働開始時期やその予定も明記している。年ごとに稼働を開始した電源容量を集計すると、同社がこの2年で再エネ調達を猛烈に進めていたことが分かる。

メタが稼働させた再エネ電源容量の推移

メタが稼働させた再エネ電源容量の推移

(2022年以降は計画)

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