与党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)大統領選候補が昨日、光州(クァンジュ)5・18民主化運動関連現場を訪問し、「歴史歪曲断罪法」を国会で早期に通過させると述べた。李候補は「人権蹂躪の歴史を歪曲できないようにする」として独立運動の誹謗、親日行為の称賛、旧日本軍慰安婦をはじめとする日帝強占期の戦争犯罪と5・18民主化運動の真実を歪曲・否定する行為などを処罰対象に挙げた。この発言は、全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領の夫人、李順子(イ・スンジャ)氏の謝罪後の事態を批判する過程で出てきた。李氏は遺族代表として「夫の在任中に苦痛を受けて傷を負った方々に、夫の代わりに深くお詫びする」と述べた。しかし全元大統領の側近が「『在任中』ということであり、5・18に関する話ではない」と話し、批判を呼んだ。 李候補が湖南(ホナム、全羅道)の民心を引き込もうとした発言なのかは分からないが、歴史歪曲断罪法は危険な発想だ。国家が歴史の解釈を独占するというのも話にならないが、何よりも思想と表現の自由を抑圧するという懸念が強い。民主党はすでに多くの反対にもかかわらず5・18民主化運動真相究明特別法改正案を通過させ、現在は歴史歪曲防止法案を発議している。しかしこの法案について大韓弁護士協会は「全体主義国家で主に使用される立法方式であり、大韓民国の憲法秩序に背く」とし、撤回を要求した。にもかかわらず法律家出身の李候補がこの法案を一日も早く通過させると述べた。公論の場に出すべきであり、公権力が裁断することでない。 民主党の歴史歪曲防止法に対し、過去の朴槿恵(パク・クネ)政権の国定教科書に反対した歴史学界からも一斉に撤回要求が出てくる理由を、李候補は考慮する必要がある。歴史学者は「特定の歴史観に『歪曲』という罠をかけて処罰条項を明示するなど、歴史問題を過剰に司法化する」と批判した。特に、日本帝国主義を称揚・鼓舞・宣伝する目的で旭日旗を使用する場合に処罰する条項などは、過去の独裁体制時代に学問と思想を弾圧した国家保安法の称賛鼓舞罪と似ているという嘲弄までも受けている。 さらに深刻な問題は、執権勢力によって歴史の解釈が変わり、歴史歪曲防止法自体が政治的に悪用される余地が大きいという点だ。民主党の法案は「真実の歴史のための審理委員会」が歴史歪曲行為かどうかを判断するとしている。しかし誰が委員になるかによっていくらでも決定が変わりかねない。光州民主化運動は民主と自由を勝ち取ろうとする苦闘だった。ところがその光州の精神を守るとして表現の自由を抑えるのは話にならない。手遅れとなる前に国家が歴史解釈の方向を設定するという危険な発想を撤回するのが正しい。
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