Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
東京大学 筧康明研究室の研究チームが開発した「magashi: Fabrication of Shape-Changing Edible Structures by Extrusion-Based Printing and Baking」は、3Dプリンタで印刷した平面状の食材を焼いて立体物に変形させる技術だ。平面パターンとして印刷した食品を焼くと変形し、曲面を含む立体物になる。もなか(最中)の皮の部分(最中種)や食べられるフォークをこのやり方で作ることも可能だ。
3Dプリンタで立体的な造形物を作成する場合、素材を積層させていく方法が一般的だが、今回は平面に印刷した素材を、その後に焼いて立体物に変形させることで、積層方式では印刷できないような形状の造形を行う。
一般的に、オーブンで食品を焼くと、材料の水分が蒸発して食品が縮むが、この特性を生かした収縮・変形で立体物を作成する。
3Dプリンタでは、細いテーパーノズルを備えたシリンジ(注射筒)で材料を押し出す。印刷には押し出すのに適した米粉、水あめ、常温の水の3つの混合材料を使う。試行錯誤の結果、米粉は4.0g、水あめは1.5g、常温の水は3.1mLの組み合わせが最適と分かった。
シリンジノズルの高さは、薄い線状パターンを印刷する場合は0.3mm、厚手のシートの場合は0.5mmと変えた。押し出す圧力は30〜60kPaの範囲で調整。焼成は90度で10〜20分間行った。
オーブンの中では、薄い線状のパターンは早く乾燥して上向きに、厚手のシートはゆっくり乾燥して下向きに曲がる。印刷した素材の厚みと形状によって乾燥時間を調整し、曲がる向きを制御している。この特性を考慮することでさまざまな立体物をデザインできる。
デモンストレーションでは、もなかなどの立体構造を持つ和菓子や、食べられるカトラリー(フォーク)などを作成した。
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