「サイズが小さい」「なかなか届かない」「税金の無駄遣いでは」などと悪評が目立つ政府配布の布マスク。「アベノマスク」とやゆされるのが忍びないと、みどり市の刺しゅう業「大桐(だいとう)」が、布マスクに無料で刺しゅうするサービスを始めた。送料を負担して同社にマスクを送ると、かわいらしい刺しゅうをして、返送してくれる。(池田知之)
発案したのは、従業員の高橋有希乃さん(31)。届く前までは「自分もいらないと思っていた」というマスクだったが、「実物を見るとあまり小さくもないし、しっかりしていた」。「作ってくれたり、届けてくれたりした人たちのために、刺しゅうでかわいらしくしよう」と考えた。
柄は、疫病から人々を守る妖怪「アマビエ」、オリーブの冠を頂く幸せの象徴ハト、ハーブのカモミール、クロワッサンなどのパンの計四種類から選べる。
十六日から募集を始めたが、既に市内外の三十人以上から申し込みが寄せられ、好評という。同社のあるみどり市は桐生市などとともに繊維関連産業の集積地。下山勝社長(65)は「刺しゅうの産地として、広くPRにつながれば」とサービスの意図を語る。
同社で刺しゅうするのは、政府が配布した未使用の布マスクに限定。希望者は、切手(マスク一枚の場合は八十四円、二枚は九十四円)を貼って住所氏名を記した返信用封筒と、布マスクを同封する。
宛先は、〒379 2311 みどり市笠懸町阿左美一一一八 大桐マスク刺しゅう係。希望する柄((1)アマビエ(2)ハト(3)カモミール(4)パン)は、宛名のそばに番号で明記する。
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