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不真面目なサラリーマンほど副業はうまくいく?|副業1年目の教科書|今井孝 - gentosha.jp

サラリーマンの副業を阻む意外なブレーキ

私の知人に、副業で「カメラマン」をしている女性がいます。

 

SNSで使うプロフィール写真の撮影で1万円程度、イベントの撮影なら3万円程度など、依頼する側からすると頼みやすい金額です。
それでも彼女からすれば、月に数件の依頼だけで副収入として月に3万円から5万円を得ることができています。

この話を聞いて、あなたはどう感じるでしょうか?

「副業は効率が良い!」と単純に希望を感じるでしょうか? カメラが好きな人からすれば、「それぐらいなら自分でもできそう」と思うかもしれません。

他にも、夜や週末のイベント(ワイン会、勉強会、etc.)で毎回数万円を稼ぐ人もいます。副業のデザイナーがバナー1つで1万円、副業の料理教室で1回2万円(4人)、コースにして10万円、副業の英語コーチングで1人30万円など、さまざまな副業がありますし、活躍する人も増えてきました。

しかし、いざ副業を始めようとすると、現実はそう簡単ではありません。副業には、その前進を阻む見えない強力なブレーキが存在します。

それは何か?

「何を商品にすれば良いか分からない」「開業届や税金などの手続きが分からない」「どうやってお客様を見つければ良いか分からない」など、典型的な問題ももちろんあります。しかし、もっと大きなブレーキが存在するのです。

それは、意外かもしれませんが、「これだけのことで、こんなにお金をもらって良いのだろうか?」という気持ちです。

この気持ちは、一般的に「罪悪感」と呼ばれるものです。

副業にはこの意味づけの変革が必要

なぜ、この罪悪感が生まれてしまうのか? それは、サラリーマンという働き方で得るお金の意味づけと、自分のビジネスで得るお金の意味づけとが、まったく異なるからです。

自分でビジネスを始めると、時給ではなく商品やサービスの価値に対して報酬を得ることができます。時間の切り売りをせず、収入を手に入れることができるのです。これはつまり、「時間」ではなく「価値」をお金に換えているわけです。

価値をお金に換えるというのは言葉にすればシンプルですが、実は給与所得に慣れているサラリーマンにとっては、相当な意識転換が必要です。

サラリーマンが持つ「長く働いたぶんだけお金がもらえる」という感覚は、簡単に克服できるものではありません。いざ副業を始めようとすると、前述のとおり「これだけのことで、こんな金額をもらって良いのだろうか?」と、時間をかけずにお金をもらうことに対して、強烈な罪悪感というブレーキを感じてしまうのです。

これは、もしかしたら優秀なサラリーマンほど、陥ってしまうワナかもしれません。なぜなら、会社という組織の中で生き残っていくためには、実質的な価値よりも、上司からの評価や、そのための付き合いや処世術、うまく責任を逃れることなどが大きな要因となることが多いからです。多くの人にとって、自分が会社の中でどれだけの価値を生み出したかを認識する機会はありません。

ですので、副業とは単に収入源を増やすということではなく、「お金とは何か?」「価値とは何か?」という意味づけの変革でもあるのです。

そして、「自分にはそれだけの価値があるのだろうか?」という、自分自身への問いかけが必要でもあります。

ビジネスとは自分の価値を認めるプロセス

副業を始めた最初はそのような不安もあると思いますが、売れていくと逆にものすごく自分に対する自信が芽生えてくるのがビジネスの良いところです。

初めて自分の商品が売れたときの感動は、生涯忘れられないかもしれません。

「〇万円払うから、あなたにお願いしたい」

と初めて言ってもらえた場面を想像してみて下さい。なんとも言えない喜びが胸の奥からこみあげてくるのではないでしょうか。

商品が売れたときには、ただ「売れた」というだけでなく、「自分は認められた」と感じられます。

そして、売れれば売れるほど、「自分は他人に求められる存在だ」と実感することができます。

ですのでビジネスというのは、ただお金を得るだけでなく、自分の価値を認めて、自分の無価値感を癒やして、自分のことを本当の意味で大好きになるプロセスでもあるのです。

そうやって自分に自信を持てば、当然、本業にも良い影響があります。

他人の評価を気にせず積極的に行動できるようになり、相手のことを考えて仕事ができるようになります。そういう人が実際は評価されていきます。

まずは他人を認めるところから始めてみる

「〇万円の価値がある」と、自分の価値を認められるようになるためには、何から始めれば良いでしょうか?

私のお勧めは、まずは他人を認めることから始めることです。

手順はこうです。

まず、商品やサービスを購入したら、それを記録しておきます。商品名と価格を書き出しておくわけです。

そして、その商品やサービスから得られた価値を感じて、それも金額に換算します。

ただ、それだけです。

例えば、最近付き合い始めたばかりの恋人とデートに行ったとします。2人でカフェに入り、飲み物を注文しました。2人分で800円程度です。そしてカフェで1時間ほど話をした場合、その1時間にはどれぐらいの価値があるでしょうか? 10円でしょうか? それとも1円でしょうか? その恋人との時間がそれほど安いでしょうか? そんなことはないと思います。千円と言っても失礼かもしれません。本当に幸せな気持ちになったとしたら、5千円とか1万円の価値があるという人もいます。

また、大事なプレゼンのときに急におなかが痛くなって、ドラッグストアで下痢止めを買ったとします。値段は700円でした。

そのおかげで無事にプレゼンが終わったとしたら、その薬の価値はいくらぐらいだと評価するでしょうか?

もし、10億円の商談につながるプレゼンだったとしたら、数千万円ぐらいの価値があったかもしれません。

そんな風に、他人の商品の価値を認めて金額に換算してみると、多くの商品やサービスは素晴らしい価値を提供していることに気づきます。

そうやって、価値に対するアンテナを敏感にしていくことで、いざ、自分が商品やサービスを提供するときに、自分の価値を認めやすくなります。

これは簡単にできることですが、ビジネスをやるにおいては、とても重要なものの見かたです。

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June 02, 2020 at 04:00AM
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