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「好きを仕事に」こだわらない方がうまくいく、今読むべき心の備え - Business Insider Japan

ラップトップパソコンを使う女性

とりわけ深刻な打撃を受けているフリーランス。しかし、今必要なその心の備えは会社員も同様だ(写真はイメージです)。

Shutterstock/GaudiLab

新型コロナウイルスの影響を受けていない業界はないと言われる中、とりわけ深刻な打撃を受けているのが“給与”という定期収入の保証がないフリーランスだ。

フリーランス協会代表理事の平田麻莉さんによると、スポーツインストラクターやイベント講師、エンターテインメント業界で働く技術職など、外出自粛や3密回避の要請から休業を余儀なくされた、さまざまな職種から悲鳴が連日寄せられているという。

「受注していたバス旅行が軒並みキャンセルとなり、2〜4月の仕事の予定は真っ白に。転職するしかない」(観光バスガイド歴5年以上の女性)

というように、キャリアチェンジを検討する声もある。

フリーランスを含む「小規模事業者」向けの助成・給付の政府による緊急対策も出揃いつつあるが、これから先に備えるべきは“お金の備え”だけではない。

緊急事態宣言が解除され、「仕事再開」が現実的になろうとしている今、ここから先のキャリアを前向きに切り開いていくための“心の備え”も重要になる。

では、長期視点でキャリアを切り開くために、身につけるといい“心の備え”とはどのようなものなのか。

キャリア開発に詳しい慶應義塾大学大学院特任教授の高橋俊介さんは言う。

「これから一層のスピードでさまざまな業界再編は起こることが予想され、企業に勤めていたとしても安定は約束されない。自らのキャリアの方向付けを主体的にリードする“キャリア自律”の思考は、働く人すべてにとって必要になる」

高橋さんを始め、同協会のアドバイザーを務める識者たちによるアドバイスは、フリーランスに限らず参考になり示唆に富む。そのポイントを5つ、紹介しよう。

1. 「好きを仕事に」にこだわらない

カメラマン

Shutterstock/Ilya Oreshkov

「好きなことを仕事にしよう」というキャッチコピーはよく聞かれる。しかし、そのコピーにこだわり過ぎて、迷い子になってしまう人もいる。

「好きなことと向いていることが一致するとは限らない。例えば、飲食が好きでその道に進んだものの、『収支を成り立たせていくためには、時に魂を売らないといけない』と苦しむ人もいる。好きなことを職業にしなければという呪縛から解き放たれた瞬間、可能性は広がる。

私がかつて行った調査でも、主体的かつ柔軟に仕事を選ぶ人は、自分のキャリアに対する満足度が高いことが分かった。逆に、受け身で硬直的な人は常に不満を抱える傾向がある」(高橋さん)

2. キャリアプランの呪縛から自由になろう

キャリア自律の意識を磨く上で、足かせとなるのが、実は「細か過ぎるキャリアプラン」。3年後にはどこでどんな仕事をしていて、5年後には……と具体的に描くことが、かえって可能性を狭めてしまうこともあるのだという。なんとなく進みたい方向性を描きつつ、偶然やってきたチャンスも面白がってつかむ。そんな瞬発力がある方が、変化スピードの速い時代に対応しやすくなる。

また、人によっては「目標を持つこと」そのものが苦しさの原因になるのだと高橋さんは指摘する。

「目標に向かって頑張る自分を楽しめるのは、達成動機が強いタイプ。『目標が見つからない』という人は、一歩一歩、目の前の仕事から積み上げるキャリア開発を」(高橋さん)。高橋さんは企業の人事担当者にも「面談では無理に目標を書かせないで」と伝えているそう。

3. 自分にとっての「心地いい活躍レベル」を見つける

横断歩道を渡る人々

撮影:今村拓馬

キラキラと成功して輝くインフルエンサーを見ては、焦りや不安を抱えてしまう。SNS全盛の時代には、“他人との比較”によって自信を失い、本来の能力が発揮されないリスクも増大している。

帝京大学教授で産学連携推進センター長の中西穂高さんは「バリバリ派だけでなく、いろんな活躍のレベルがあっていいと構えて」とアドバイスする。

「人によって仕事にどれだけ重点を置くかの最適値は違う。裏方として誰かのサポートに徹する役割も必要ですし、本人が誇りを持っているのなら、なおさら尊重されるべき。自分が無理なく頑張れる働き方を選ぶと同時に、搾取されないための制度などの情報にもアンテナを張ってほしい」(中西さん)

4. 「受け身の仕事」を「価値ある仕事」へ。ジョブクラフティングの発想を

目標から逆算せず、仕事の実績を積み上げていく時のポイントとなるのが「ジョブ・クラフティング」という発想だ。2001年にレズネスキーらが提唱したこのキャリア開発の手法に注目しているというのは、法政大学大学院教授の石山恒貴さん。

ジョブ・クラフティングとはつまり「自分で自分の仕事に“意味付け”をしていくこと」。受注した仕事の業務内容や人間関係などと、自分自身の動機や強み、能力を対応させながら、「仕事の価値」を見出していく考え方だ。

例えば、テーマパークで水をまく業務を、単なる清掃や熱中症予防ではなく“お客様を歓迎するための仕事”と意義付ければ、「地面を濡らす水の線でキャラクターを描く」といった工夫が生まれ、それは人を感動させる価値になる。

「自分なりの発想を仕事に組み込む積み重ねが、結果的に“自分らしいキャリア”につながる」(高橋さん)。

5. まずは、自分の「傾向」を観察する

自分で自分のキャリアを司る。その第一歩になるのが、「自分の内的動機を知ること」(高橋さん)。どんな時にモチベーションが高まり、自分らしい力を発揮できるかを見つめる意識を持つ。

例えば、チームで業務を分担して協力して課題を解決していくのか、一人で黙々と完成度を高めるのか。

顧客と信頼関係を築くプロセスに燃えるのか、世の中を驚かせるサービスの作り手側になることで心が喜ぶのか。自分で見つけるのが難しかったら、周りに意見を聞いてみてもいい。

「大切にしたいものが、経験やライフステージによって変化することもある。その時々の内なる声を聞いて、できるだけ素直に従ってほしい」(中西さん)

(文・宮本恵理子)

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May 29, 2020 at 03:02AM
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